テキスト1992
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→d←レq・4Uふ4p’dフォツクス・フェイaス〈2頁の花〉〈3頁の花〉フオツクス・フェイスは中米から北米のテキサスあたりまでが原産地で、ヨーロッパにはげ世紀末、日本には一九三五年にジャワのボイテンゾルグ植物園から導入されたという来歴のはっきりした植物である。いけ花によく使われるようになったのは戦後のことで、一時いけばな展にもよく登場していたが、実の形が特異なだけでは、いけ花の花材としての興味が続かないのだろう。最近ではあまり人気がないらしい。だが実の鮮やかで艶のある黄色は秋の花材として枯物花材ともよく合うので私も時々いけている。作例は口れほどのフォックス・フェイスを二本に分け、花瓶に立てた支柱に十文字に括りつけている。その前に向日葵の実を挿しただけの簡単な一瓶だが、やはり実りのいけ花である。向日葵の実花器瑠璃色陶花瓶九月に入って、もう秋かな、と思っていても中々暑気は衰えない。作例は、そんな掛探勝に向くとりあわせである。サラダボウルのような陶の花器の白い肌は艶消しで独特のざらつきがあり、口の部分は濃い赤紫と淡い赤紫に縁どられている。3

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