テキスト1991
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風松虫草は高原の花だが、唐木取は高山の花で、北アルプスの白山や白馬告の砂拠地で七月下旬から咲きはじめる。名前通り唐糸を想わせる美しい花なので、一度その野生を見たいものである。この花の色と形には鉄線がよくあうのだが、丁度花弁が細長く小型で濃紫色の鉄線が手に入ったのでとりあわせに選んだ。いけ上がってみると、同じ紫色の大輪の鉄線より小型の方が唐糸草の優しさに対してよくあっていたのではないかと思う。唐糸草は一本の茎に沢山の房状の都をつけているが、二塁9つ順番に咲いて行くので余分な固い奮は自然の風情をこわさない程度に切りとって淡紫色の花がひき立つように使、っ。鉄線は栽培用の支柱をとって、直上する花、斜上に登る茎、横向、下に垂れ下がる茎など蔓草らしい出生に見えるようにいける。唐糸草は細い茎の先に房状のふんわりした軽そうな花が咲いていて、風にゆれると、いかにも高山の花という風情である。短く切りつめたりせずのびのびといけたい花である。花材唐糸草鉄線(濃紫色)花器白色マット粕陶花瓶7

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