テキスト1991
92/147

L4十4 最初の花の実ができた四季咲種の杜若の夏花がもう咲いている。生花では社若の出生の季節による違いをいけ分けている。早春には葉組も花の本数も少なく花は葉よりも低く、ほっそりとした感じにいける。中春には花は二本か三本で葉組は五組にふえ、季節が進むにつれて花、葉とも多くなって花の高さは葉を追いこし、盛夏を迎えると花は十本以上、葉組もそれ以上にふえ、垂れ葉もまじ、えて花型は派手になる。初秋に入ると、花も葉組も少なくして行き、やや乱れた感じを持たせる。秋が深まるに従って佑びしさを強め枯葉、乱れ葉が加わり、花の高さは徐々に葉より低くなって行き、晩秋には花は初春より低まる。そして冬になると水温の高いところにたまに咲く社若一輪という感じに葉を高く、花は留に低く一輪あれば良い。盛花、自由花では生花の法則にとらわれることはないが、季節感をはっきりさせる必要がある場合、の法則を活用できる。作例の4頁杜若の開花と河骨を株分けにいけて水面が感じられる盛花にしている。河骨は花四本に対して葉は後に隠れた一枚を加えて七枚使っている。枚数が多い場合、葉の面二瓶生花若4

元のページ  ../index.html#92

このブックを見る