テキスト1991
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11 山吹TAャ>J_柑口F先日京都の植物園で、満開の雪柳の前に一重で大輪の山吹か咲いていた。隣リ合わせて植えられていたのでそういう配色の美しさを見られるが、自然の野山では出逢うことのないとりあわせかもしれない。山吹は日本を代表する花の一っとされ万葉集にも「山振」として出ているか、その後平安時代以後になると中国名の伐棠も使われるようになって、古い植物図譜や花伝書にも棟棠と書かれていることかある。バラ科の山吹属にはご存知のように一重で五弁の山吹と、実のならない八重山吹、やはり五弁で花の白っぽい白花山吹かある。これらの山吹、白花山吹とは別に叫弁の白山吹かあリ、バラ科ではあるが白山吹属として別屈に扱われている。いけ花では早い頃から立花の構成要素の一っである副にそのなびく姿か好んで用いられ‘生花にも水辺に枝垂れる姿か写されてきた。作例の山吹は秋の萩と同じように枝先を自然な姿に下け新緑の季節に咲きはじめた白花鉄線をそえたか枝先の軽くしなやかで風にゆれる姿を感じさせるようにいけたい。鉄線は低くとり残った葉をそえていける。花材山吹鉄線天目釉水盤て、とう

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