テキスト1991
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いろあい〈2・3頁の花〉かきと違って、台所というよりはキチンの彩りには明るく派手な色と清潔さ、そして無雑作で自然な置き方が好ましい。花材ピーマン赤花器ボヘミアンカットグラス明治時代から栽培されていた在来種のチューリップは幼稚園児まで親しんできた身近な花だが、賞、赤、白、紫、ピンクという色の違いはあっても花の形は似たようなもので品種は多いようには見えなかった。花弁が鳥の羽毛のように切れこんだパlロット系、花弁の先の尖った百合咲種、八重咲各種、花色も白みがかったグリーンの品種が花屋に出るようになったのはこの四・五年、オランダから輸入されるようになってからのことである。2頁には染付の大皿に二輪の聞いたパlロット系のチューリップを低く持して赤と黄の花弁の燃えるよ、つな色を鮮やかに浮かび上がらせてから白と黄の凶輪を左への動きを見せるように立てている。3頁には濃紺のカットグラスの下に色相の柔らかいピンクのテーブルマットを敷いて、よく似た色のチューリップをいける下地を作っている。左下にそえた小きな花のかたまりはホワイトアリウムで百合科葱属の草花である。この花は花梗がしっかり・貰志野青麦しているので傾けていけてもレースフラワーのように形が変らない。2頁の花より落着いた配色である。2頁花材チューリップ花器デンマーク染付大皿3頁花材チューリップ(ピンク)ホワイト・アリウム濃紺カットグラス花器3

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