テキスト1991
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街路樹第三種郵便物認可桑原専疫流いけばなテキスト342号1991年12月1日発行(毎月1回1日発行)桑原専慶流家元発行定価五00円している。東海道の松並木、日光街道の杉並木。古い街道筋にはそれぞれ立派な並木か燥えていた。それらは現代で云う街路樹なのだが、排気ガスのせいで、その数は昔の何分の一かに減ってしまっているのだろう。とくに大気の汚染の激しい都市部の街路樹にはプラタナスが多い。京都では欅が大きな通りの分離帯に植えられていて、新緑の季節や紅葉の秋には通りを彩っているが、烏丸通の狭い歩道にはプラタナスしか植えられないらしい。夏の間私達を直射日光から守っていてくれたプラタナスも晩秋になると枝を刈りこまれて無惨な姿で冬を越している。だが枝を刈りこまれる頃、黄変しかけた。フラタナスの葉は‘身近な自然の親しみある花材として使える。プラタナスの中で、日本の街路樹として最も多いのは紅葉鈴懸の木で東京の新宿御苑の並木が有名である。作例には、三輪のカサブランカをそえているが、多数の葉の表を正面に向けていける場合には‘白、赤、等、色のはっきりした大輪の花がよくあっ。カサブランカは上部の固い醤をとって、三輪の花の白さを強調花材プラタナスカサブランカ(白い百合)花器焼締花瓶けやさ黄

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