テキスト1991
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晩秋から初冬にかけて、生花の枝物花材の多い季節である。hT嚇、紅葉物から寒桜、そして常緑の針葉樹や照葉樹も夏に徒長した枝も締まって端正な姿で冬を迎、える。紅葉の終る頃寒桜が咲き始める。寒桜といっても二月に咲く本当の寒桜ではなく、十ー十二月と四月に咲く十月桜、或はその他の桜の返り咲きを、いけ花では寒桜として初冬の季節感を表現しょ、っとする。寒桜は枝数を少なく、花も枝先に少しつくだけでよい。飾って二・三日たつと花が多くなり過ぎることがあるが、そんな場合少し摘みとる。とくにいけ花展への出品作にはその手入れが必要である。枝数が少ないと留の分かれ目が粗雑な感じになるので総囲は小枝を多数使ってふくらみを持たせる。寒桜留流し花器飛天文青銅花器寒桜2

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