テキスト1990
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4u司い勺v。〈3頁の花〉大きな平面の不喰芋に丸く大きなハエマンツス・カテリナエのとりあわせでは大まかすぎるので薄の葉をそえると前後の奥行、左右の拡がりができる。彼岸花や里芋の季節を想わせる一瓶である。花材不f、」H喰芋hau薄ハエマンツス・カテリナエ花器金線入褐色軸深鉢鉢植の葡萄にも随分沢山房がつくものである。古代から園芸作物として栽培され続けているのでその性質が知り尽くされているのだろう。だがヨーロッパの広い葡萄園を見ていると鶏舎の中のブロイラーのように、いかにも飼育されているという感じがもの涼しい。反対に自然の中の野葡萄の実は青や紫等色とりどりで美しいが虫が寄生して一房の五分の一ぐらいしか残っていない。そして葉も虫に喰い破られて無残な姿である。花としていけたい葡萄の姿は野生と栽培種の中間点であろう。美しい房を護るような葉に優しい草花をそえて葡萄との古いつきあいを想い起こしながら眺めるいけ花にしたい。花材葡萄(巨峰の鉢仕立)白星断苧黄海芋花器瑠璃色軸水盤h3

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