テキスト1990
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〈3頁の花〉デルフイニューム石楠花花器アイスペイルとグラス2頁と3頁にあしらった西洋石楠和は、いけ花展で切り刻まれた残りの株を庭の隅に他えておいたものである。いつの間にか枝を拡げ、今年は十五房ほど花をつけた。そうなると中々切れないものである。庭の花は誰しもそうだろうと思うが、あまり目立たない一枝を小さざいとく切って、大切に小品花として優しい眼差しで愛おしむようである。小品花を前にしたとき、それがたとえ花屋で買ってきた花であっても、どこか庭の花をみつめるときの気持がひそんでいるようである。だからこそ小品花は一輪の花、一枚の葉も大切に扱うのだろう。使った宮ヂは花屋で傷のないものの中から大きい花と小さい花をとりまぜて選び、ギガンテウムは三日程前に買っておき、むらなく大きく開いたものを使っている。京協附和は、葉を半分にへもりして左右のつりあいをとり、配色は花器の紺色から紫系統から白へと上品に移って行く。花材海芋アリウム・キカンテウム西洋石楠花花器ボへミア切子ガラス器3

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