テキスト1990
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第三種郵便物認可桑原市寸慶流いけばなテキストm号1990年3月1日発行(毎月l回1日発行)桑原専嵯流家元発行定価五OO円烏雄子の尾羽は色も美しいが、動くにつれて、しなやかに生き生きとした弧を描く。中国の京劇「西遊記」では、孫悟空の激しい立ち廻りにつれて、頭の雄子の羽が優雅になびく。いけ花では著努の葉に山鳥(雄子固め野鳥)の尾のような弾みのある曲線を求めている。実際立花に長く挿しそえられた著義の葉が時折の風の動きにゆれると、その一瓶は置物にない生命感がただよう。作例に使ったのは勝馬の羽である。昔は軍人の礼装用の帽子の飾りに用いられたが私の子供の頃は薄の穂が毛羽立つと学童帽に挿して喜んでした。鳥の羽の美しいものは、江戸時代の文人瓶花の絵にもそえられている。中国の文人の書斎飾りを模したものだろうが鳥の羽は色も形も花とのとりあわせに良いものである。純白の駐鳥の羽を明るいブルーの花瓶に挿して春そのもののような花色のポピ!とアカシアをそえてみると、いかにも派手ないけ花が出来上がる。時々こういうとりあわせをいけて色彩の豊かさを味わいたい。花材舵鳥の羽ポピlアカシア花器碧紬陶角瓶の;J;J

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