テキスト1990
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第三極郵便物認可桑原専問底流いけばなテキスト抑号1990年2月1日発行(毎月1回1日発行)桑原専慶流家元発行庭の紅梅は氷雨の中で、まだ菅を固く閉じている。三年程前、村瀬きんのお父さんが小菅君に手伝わせて植えて下きったが、もっしっかり根付いてきたので今年から花が散ったら自分で刈り込んでみようと思っている。毎年少しずつ手入れして十年か十五年もたてば大して立派な梅にはならないかもしれないが、私なりの梅に育ってくれるだろ、フ。氷雨の中の庭の梅よりも一足先に宰で奮をふくらませた薄紅梅は、暖かい部屋の中で上品な香りを漂わせながら咲き続けている。葉が芽吹くまでに花が咲く早春の花木を使、つ投入や盛花には松や椿、草花ではパラのように葉を豊かにつけた副材をとりあわせて枝の線や木肌の固さを柔らげるが、切口の瑞々しい青竹も潤いに満ちた感じを与える。この青竹は太き日で、厚みもーで以上あるので相等重くてどっしりしているので梅の大枝と、台切りの長いデンファレ三本を挿しても安定感は損なわれない。暖房のため乾燥し勝ちな冬の室内に、青竹、紅梅、デンファレのとり合わせがしっとりした感じに納まる。花材薄紅梅「アンファレ花器青竹寸筒青竹と梅定価五OO円

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