テキスト1990
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ばけ第三種郵便物認可桑原専脱流いけばなテキスト319号1990年1月1日発行(毎月1回1日発行)桑原専慶流家元発行そろ/\服梅が咲き初める師走である。自然の樹木も冬から春に向けかけ橋のように少しずつ花を咲せる。庭では獅子頭が咲いては散り、苔の上を美しく彩っている。白佗助も静かに花をつけている。寒桜、山茶花、茶の花‘胆匝、寒菊、寒胃‘寒木瓜、椿‘水仙と数えれば日本の冬は雪が積もり‘気温が氷点以下になることも多いのにかなり多種の花木が冬の季節を彩どる。その上温室やビニールハウスが普及したので夏より花屋の草花は豊富なのかもしれない。カトレアも毎年暮になると沢山出まわるので、何となく冬の花という感じがしないでもない。表紙には仏手柑と大輪のカトレアを使ったが、この頁には十輪の花をつけた中位の大きさのカトレアに水仙をとりあわせてみた。水仙は袴付のまま、葉が乱雑に交差しないよう少し癖を直して左側に2本、少し離して右側に3本立てている。その水際に花の密生したカトレアを挿しそえるだけの簡単ないけ花だか、このとりあわせには他の花を加えてこのシンプルな色の対照をそこなわない様にしたい。花材水仙カトレア花器黄土色焼締横長花瓶の花定価五00円

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