テキスト1990
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羽i田!会川i地l v花器灰白柑花瓶日本の国を古代人は風情豊かに、監斡鵬瑞穂陸とよんでいた。清らかな流れの両岸を丈高く覆、つ芦の緑は季を追って相貌を変えて行春まだ浅い頃、前年の枯草の立ち並んだ裾もとから若草の緑が立ち上がり、やがて枯色を覆いつくして夏を迎、える。初秋銀色の穂が川風に優しく波打つ葦原の景色は大和絵や和歌に描かれ続けている。川面に渡ってきた鴨が浮かぶ晩秋の枯草に杜若をそえていけてみた。四季咲きの社若も立ち上がった葉にも枯色がまじり水面には枯葉が浮かんでいる。夏の終りに咲いた花の実がもうはじけそ、つに熟した横から晩秋の花が聞きかけている。晩秋の水辺を生花としていけてみたのだが、産はざっくりと挿し、社若を総固から留の沈みに続け、控には枯置の小枝の先にふき出た季節外れの新葉を使った。ネ古式若言董で5 社2

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