テキスト1990
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とりあわせ〈表紙と2頁の花〉浪緑色の大きな鏃形の葉を隅取る白い葉脈。一枚は45伝ン、もう一枚は35パ/の大型のアロカシアの葉を、角の鋭い暗褐色の花器にとりあわせ、そこにカトレアをそえた一瓶と、フォックスフェイスをそえたのを作例にとりあげてみた。このような簡単な形の構成と配色のいけ花になると、いつもよく書いているように花器もとりあわせの重要な一部であることがよくわかる。この二作はかたまった花の色が鮮明に浮き出ているか、そのためには強い形で暗い色の花器が必要であり、そえる緑の葉もこのアロカシアのような強く大きなものを選びたい。花器が同じ色でも形かおだやかな丸い形のものであれば花もしまらないし、葉は同じ里芋科でもモンステラやアンスリュームでは花の色かこれはど強く浮かび上がらないと思う。この二作は床の間向きのいけ花ではないが現代建築の石の壁画等には上品におさまりそうである。八表紙の花>花材カトレアァロカシア花器暗褐色釉角瓶八2頁の花>花材フォックスフェイスァロカシア花器暗褐色釉角瓶2

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