テキスト1990
115/143

龍謄二重いけ花器煤竹二重切筒いけ花に使われる萩は野山に自生するものではなく、栽培極で水陽がよく、垂れた姿の良いものが使われている。萩の花の一輪は小さいものだが、庭に群落する萩の花が一斉に咲くと相当強い表情を見せる。ずっと昔、奈良の古寺で、崩れかけた土塀の前に繁っていた満聞の萩に猛々しいほどの生命力を感じたことがある。いけ花として萩を手にしたとき、それを想い出すせいか、いかにも秋草らしく軽い一枝をそっとさし出すというようないけ方をする気にはなれない。例によってあまリ小枝を整理せず最低限、生花の形をとどめるつもりで豊かに萩をいけてみた。とりあわせた龍けA婚ど弓は真・副が白、留には紫を小さく窓の中におさめた。ド引/冨リ手火7

元のページ  ../index.html#115

このブックを見る