テキスト1990
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HJ、重きが日Jもあって両肩に環が生活用具の中で一屑壷というのはいつ頃から使われ始めたものなのだろう。もともと携帯用の酒壷か行軍用の水筒がその原型だったのだろう。一度中国の戦国時代(紀元前回O三年1二一二年)の青銅の肩壷を見たことがあるが、高き犯で、口径Uついて紐で肩に吊るせるようになってはいるものの四角い大きな底がついているので置物として祭把に用いられた器具だろう。陶磁器で見事なのは元時代に作られた青花双龍文の一屑壷で、北方の騎馬民族の生活用具だった水筒の形が力強く残っているような気がする。日本の一屑壷の中で本来の水筒の機能を完全に残しているのは沖縄の抱版だろう。紐で吊るして肩から脇腹に下げられるよう三ヶ月型になっているので他の国の一屑壷とは少し感じが違うが沖縄旅行で一輪挿しの花活けに買って帰る人が多い。一種の応用花器でもある。一屑査という形はその生ぉ、た立%から考えても口が小さくて大型のいけ花向きは出来ていないように思う。作例の一屑壷はかなり大きいが為朝百合三本とモンステラ一枚の量が限度だろう。花器との配色がよい。花材為朝百合モンステラ花器イタリア産一屑壷士官一扇4

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