テキスト1989
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日山内,さいり人黄花海芋株分けイE器濃紺水盤昔、父に生花を習い始めて問もない頃新西蘭日枚を竹筒にいけさせられたことがある。剣山に挿せば簡単にいけ上げられる花材だが、新西蘭の葉は上の方が広いV字形で下の方が狭いV字形になり、根元で一枚に合わさっているのでY字形の配り木では葉が思った角度に向けられない。水際に葉の切れ端をつめたりして何とかいけ上げたが横で黙って座っていた父は、初心者の私がどんな工夫をするかを見ていたのだろう。幸いうまくいけられたが、作例では剣山を使った初歩的な株分け挿しを作ってみた。新西蘭7枚は、真、見越、副、胴、留、留の沈み、控の七体で「真」の花型である。黄花街苧は、花を真、副、胴に配し、葉は真、副、胴、留、控に使った副流しに形造り、濃紺の水盤に水をたっぷりと見せた夏向きの生花である。剣山隠しの小砂利は道具の一つとして必ず用意しておく新西蘭。; 6

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