テキスト1989
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鳥主ハ員HUR・.ι十口f→、定主熱帯性の大輪で、色彩の強烈な輸入花材である、へリコニア、ジンジャー、プロテア等が四季を通じて使えるようになったが、季節の大型花材として大頭の鶏頭は秋のいけ花展に欠くことのできない花材である。大体中秋の花で晩秋には姿を消すのだが、珍らしく十二月初旬、赤黒く紅葉した生きのよい鶏頭を見付けたので、庭に枯れ残った蓮の葉をとりあわせてみた。初冬に入ってから、秋の残花を使うと淋しい感じのいけ花になるのだが、花器も赤い木の葉の模様のついたものに挿してみると、師走の寒風の中に日溜まりを見つけたような暖かみのある投入となった。花材鶏頭蓮の葉蓮の実花器白地紅色花文花瓶苧町村僻の「船島」|本間的併話|の一節に、寸竹俳句〈柑3〈の数枝をそえて、」と−記されているところをみると、水揚げの悪い竹も、古くからいけられていたらしい。中国の文人の書斎にいけ花が飾られるようになったのは、唐時代の終り頃からだそうだが、もし当時から竹がいけられていたとすれば、どんな花をとりあわせていたのだろう。〈表紙の花〉かれはす4

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