テキスト1989
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植物図鑑の米昨跡の写真の下に、花の大きさは叩ミリぐらいで見映えはしないが・・・・・・と解説されているが、いけ化では珍重される、かなり高級な花材で、立花の胴や前置に好んで使われる。庭木として植えられていることもあるが、深い山の岩場で風雪に痛めつけられながら生長するので背は低く、幹は曲がりくねっており、密生した小枝は苔むしている。五月に図鑑に解説されている小さな白又は淡いピンクの花が咲くが、その季節には葉色も鮮やかになり、他の郎燭よりも一段と上品で、高山幽玄な趣きをたたえている。花器は瓦の黒に近い緑色がかった色で、米蹴聞の持味によく合っているが、やや暗いとりあわせなので、明るい黄色の竹島百合をそえて初夏の投入にしてみた。竹島百合は、数段輪生する葉にこの花の姿の特徴があるので、なるべく高く使って葉を見せたい。米郎聞は古典的ないけ花に向いた花材で、作例のような簡単な投入れより、大きな水盤を使って太い枝物の足もとにあしらい、季節の草花数種をとりあわせた景色花によく使われている。花材米鵬燭竹島百合花器暗緑色角花瓶米醗燭5

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