テキスト1989
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ココロ二一一ロニコHH私は、中国古代の思想家の書物を読んでいると、妙に気分がやすらぐのか眠る前の三十分か一時間ぼんやりと目を通している。それらの書物は記述が到って簡潔なので、読み方によって自分勝手な解釈ができるので余計に面白い。私の時代には、旧制中学の一年生から漢文の時聞が週に確か二時間あったと思う。結一ぬという仇名の生真面目な先生だった上に、教科書に選ばれる文章は教訓的なものばかりで、当り前なら興味の持ちょうがない。だが、家に帰って父の意書の中から、例えば論語を引っぱり出して読むと、色々と面白いことも書かれている。嫌な客の訪ねてきたとき、奥さんに留守だと追い返させておいて、階の窓辺でその客に聞こえるように琴を弾きながら歌を唱ったりしている。他にも孔子の人柄の明るく、ユーモラスな面が多くの章で感じられる。私が孔子が好きだというのも自分の気に入ったところばかり読んでいるからかもしれない。だが読書とは本来そのようなものであろう。ム間五口士冗−〆/らハノν他に二9

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