テキスト1989
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木蓮花器白陶花瓶づ令。生花として木蓮は携めると簡単に標題は木蓮としたが、この木蓮は紫色の唐木蓮である。木蓮の中では白木蓮は刊訂を越す大木になり、木蓮(紫木蓮)は花は大きいが樹高は5灯ぐらいのものである。唐木蓮は更に低く花も小さい。先月号の裏表紙に外側が淡い赤紫色で、内側の白い大輪の木蓮を使ったが、ヨーロッパでも印世紀からいくつかの美しい品種が作り出されてい折れてしまうので枝どりの工夫だけでいけ上げなければならない。とくに水際から副の出し口までの聞が無理なくひと握リに揃い、しかもその上に出る各役枝がそれぞれの形におさまらなくてはならない。従って稽古場で何人かが一緒にいけはじめても同じ花型にいけ上がることがない。作例はテキスト用にと標準型にいけてみたが、生花の構成がよく理解できていたら、枝振りに従って思い思い興味深い生花のいけられる花材である。5

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