テキスト1989
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二種挿し花器辰砂花瓶4頁と5頁は同じ木蓮科の木蓮属の朴と木蓮を並べていけてみた。木選属にはこの二種の他、辛夷、対日山劃塾、泰山木等もいけ花によく使われている。朴は若葉の出る頃、その柔らかでみずみずしい緑を季節の美しさとしていける。一般に稽古用に売られている朴は上の作例のような老木ではなく、殆ど真直で長い若枝の頂点に先の持った細長い葉芽のついたもので、いけておくと徐々に四方へ葉を拡げる。生花にも使えないことはないが、盛花の花村に向いている。作例は曲がりくねった老木の枝先に葉をひろげた風雅、というより重厚な朴である。真と胴と留が一枝で出来ており、少し型にはまりにくい枝もあるが自然の枝ぶりをそのまま残している。真の立ち上がりの形にそわせて別の枝で副を作り、総囲、留の沈み、控に白菊をとり合わせ、清涼な潤いを感じさせている。白菊ιくれ人4 ホト

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