テキスト1989
40/141

江戸時代におけるH本の園芸文化の特色の一つとして、葉の一部が白い斑お襲の観賞価値を認識して、多種類の斑入り植物を世界に先がけて作り出したことがあげられている。私達がいけ花に用いる斑入葉は、作例の朝日葉蘭もその一例だが、数えてみると草花類では薄字・f・a、著義、太骨、除寄珠、十か全骨その他多数あり、樹木でも蛇ノ目松、軍部杉をはじめ、棒、船骨等、渡来植物ではゴム、モンステラの斑入葉も作られた。いけ花に用いる斑入葉は、濃色の、或は強烈な色彩の花に対してとりあわせる葉の緑が濃過ぎたり、暗く重苦しく感じられる場合によく使われる。作例の暗赤色のガーベラに、普通の緑一色の葉蘭をとりあわせたのではガーベラの色も暗く沈んでしまうだろう。又自由花型では、葉蘭の葉面を前向きに直立させるのも一方法だが、葉蘭本来のしなやかさを表現させるには作例のような、出生感をもとにしたいけ方がよい。そして、数種ある葉蘭のうち、投入や盛花に使って感じの良いのは朝日葉商だけで、他は生花の一種挿しに適した花材である。花材ガーベラ朝日葉蘭花器トルコブルl印花文花瓶朝日葉蘭しやか山と2

元のページ  ../index.html#40

このブックを見る