テキスト1989
38/141

おらんだせきちく第三種郵便物認可桑原専慶流いけばなテキスト制号1989年3月1日発行(毎月1回l日発行)桑原尊慶流家元発行七O九年)には、紅夷石竹とよんで釆ERの強い花であると記されている。カーネーションは江戸時代初期に渡来し、貝原代替の「大和本草」(一又香りの良さから磨じゃ香ニう公撫でし子こともよばれた。渡来の歴史は古いが、大量に栽培され、一般化しはじめたのは大正末期からだが、昭和初期には、まだ高級な花だったそうである。カーネーションの名の意味は、肉色の花という原種の花色に由来するそうだが現在では花色も赤色系、ピンク系、白色系、そして生産量はあまり多くないようだが黄色系のイエローダスティ(純黄色)という品種も作られており、単一色系の他、複色の絞りの花も多い。作例に使ったカーネーションは、普通の赤色系よりも色が濃く、黒みがかった暗赤色の花である。明るい赤色系のカーネーションよりも花色に深みがあり、白のカーネーションととりあわせても落ちつきのある配色である。だがこの二色を一つのかたまりとしてまぜあわせてしまうと暗赤色のカーネーションの花色が沈みこんでしまうので上下に色分けし、その茎の聞に青麦をさしそえて配色を生かしている。花材カーネーション二種花器白色陶深鉢カーネーション定価五OO円麦

元のページ  ../index.html#38

このブックを見る