テキスト1989
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水仙は、十月下旬から咲きはじめ、三月半ばまでいけ続けられる。そして花材としての歴史も古いので多くの伝承が積み重ねられている。だが立花がいけ花の主流であった江戸時代初期までは、伝書に見る約束事も比較的ゆるやかで、あまり細かいところまではいけ方を指示せず、郡和略獣艇でも、草木の出生の要所だけを簡潔に説明し、あとは各人の創意を促している。この頁の水仙一色の立花は、二月五日の立花研修会で基本的な真の花型の作例として立てたものである。小菊花器三島手花瓶底冷えの二月、ということを大して感じないうちに三月を迎えそうである。庭の紅梅も今年は二月初旬に咲き始め、いつもの年より少し早く春め花材水仙紅水仙一色立花表紙の花直?真I2

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