テキスト1989
130/141

新しい花器第三種郵便物認可桑原専疫流いけばなテキスト317号1989年11月1日発行(I舟月1回1日発行)桑原山寸脱流家元発行定価五00円先月号にも栗と白百合の投入を掲載しているので少し趣きを変えていけてみた。花器は咋年オランダでのセミナーの際に買ったものだかかなり大型で、淡い土色の面に焦茶色の大きな円を描きこんだだけの単純明快な花器である。花の挿し口は上部に7伝丘はどの穴が左右にあけられているので花型も自然に二分される。そこでとりあわせた栗と鹿の子百合も左右に分けていけてみたのだか栗の枝は葉をとって放射状に挿し、実の少ない部分には余分に買っておいた枝の栗の実をつけ足している。そして実の小さい柴栗は上に、大きい丹波栗は下に集めて視覚的な重量感を安定させている。同様に鹿の子百合の葉も切りとって開花ばかりを右側に集めて自然調ではない装飾的な投入にいけ上げてみた。ヨーロッパの陶器は中国の磁器や日本の伊万里等の技術をとり入れて発達して行ったが、この花器にも日本の土鍋を思わせるような土の感じか漂っている。飽きずに使えるものかどうか‘使い続けてみよう。花材栗(丹波栗・柴栗)鹿の子百合花器大型扁壷LばぐIJたんばくり

元のページ  ../index.html#130

このブックを見る