テキスト1989
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紅葉の美しい木には、桜や木劃のように、春派手に花の咲くものが少ないような気がする。その代りに秋色の華やかさを得たのだろ、っか。紅葉樹を主材に使うときは、真赤に染まった一本の樹を見るように、色付いた葉を豊かにまとめて使いたい。作例は先日NHKの放送用にいけたものだが、葉を大量に使ってまとめる参考になりそうなのでとりあげてみた。こういう場合枝を重ね合わせ奥の方まで挿すのだが、枝と枝との聞を充分あけて、葉がふっくらしたかたまりに見えるようにいける。そして白菊をとりあわせて上品な秋の賑わいを作り上げる。花材七竃花器はなやか白菊猿取茨黒色陶花瓶いれもの〈表紙の花〉椅麗ないれものである。チョコレートが入っていた。そして単に締麗なというだけでなく、かなりしっかり造られていて、箱の中も丁寧に内張きれ、店のネームは内側に目立たぬよ、つに記されていづ令。先日歩いたウィーンの街でも、こういういれものが別売されていて、お客は贈る相手の好みに合わせたチョコレートをつめてもらっている。このいれもののピンクに合わせて共色のガーベラに白をそえて小さな形にいけてみた。緑はシンビジュームの葉である。箱の中には小さなガラス鉢に剣山をいれて挿す。左はアマクリナムを使った参考作。花材ガーベラ二色シンビジュlムの葉花器チョコレートのいれもの3

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