テキスト1989
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第三種郵便物認可桑原専慶流いけばなテキスト山号1989年叩月1日発行(毎月1回1日発行)桑原専慶流家元発行虹色の夏水仙と、優しい黄色の鐘旭水仙にパンパスをとりあわせていけてみた。使った曇ガラスの花器もくすんだ紫色なので、花の色を明るく浮かび上がらせている。夏水仙も鐘埴水仙もリコリス属(彼岸花属)の花なので、花屋ではリコリスとよんでいるようである。リコリスというのは彼岸花の学名で、ギリシャ神話の海の女神リコリスに因んで付けられた名前である。リコリス属は同じ彼岸花科のネリネ属の花と私達には区別がつけにくいが別種の花である。作例に使ったような口の広い花器には底に剣山を沈めて花を留めるがガラス器の場合、剣山や挿された茎ができるだけ目立たないよう、様々な工夫が必要である。最も簡単なのはガラスの砂利、又はビー玉を花器の中にいれて剣山を置くのが一般的な方法である。又この作例では、水際を隠さず、直立させた茎を見せている。その場合なるべく茎の美しい花材、例えばネリネ、リコリス、町苧、いお時等がこのいけ方に向いている。花材夏水仙鐘埴水仙パンパス花器量りガラス花瓶定価五OO円

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