テキスト1989
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hν 戦前は大きな都会の、ごく限られ1νい。子供の頃、母に連れられて父との待合せていたホテルのパーに入ると、私の背より高いカウンターの上の締麗に磨かれた大きなグラスの氷水にセロリ|と、細長く切った人参が入れられていた。のぴ上がって、その美しい配色を眺めていると、バーテンダlが「どうぞ」と云って塩と一緒にそのグラスを差し出してくれることがあった。端を少し噛むと素晴らしく香りが良た店にだけしか売られていなかったが、今ではどこの八百屋にも締麗なセロリlが一年中並べられている。店に並んでいるセロリlは、株の外側の大きな茎を二、三本はずして束ねたものと、その内側の株とに分けて売られている。いけ花として使う場合は株の方が良い。そして葉に傷のないものが欲とりあわせは花器も含めて鮮明な配色になるものを選びたい。作例はそのよ、つな意図で深紅の鶏頭と濃紺のガラス鉢を使い、左右の形をつりあわせるつもりでフィロデンドロン.セルラlタをそえた。花材セロリl鶏頭フィロデンドロン・セルラlタ花器濃紺ガラス鉢セロリl7

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