テキスト1989
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オlサでアクセントをつけてみた。私達が日常食べている野菜類の多くは渡来植物である。トマトやキャベツ、レタス等渡来後の年数が比較的浅いものは洋野菜とよばれているが、古いものは、いつ頃から日本人が食べるようになったのか、あまり考えないで和野菜として口にいれている。渡来した野菜の中には千年以上日本で栽培し続けられてきたものも多数あり、長い栽培の歴史を持ち、日本独自の品種、或は各地で特産品種として珍重されているものもある。骨予もその一つで、原産地のインドから中国を経て八世紀に日本に入ってきた。そして一二OO年の聞に現在の多種多様な日本の茄子が作られるようになったのである。日本の野菜は世界のどの国の野菜よりも美しい。それは自然のままの姿を大切に味わおうとする所からきているのだろう。とくに高級な日本料理向けに作られた野菜は農産物と云うよりは観賞用に育てられた園芸植物のよ、つである。作例の美しい茄子は同番の色針金を束ねたものに茎を挿して白い花瓶の周囲にぶらきげ、茄子の濃紫に黄色のグロリオーサを配し赤いグロリ花材茄子・グロリオlサ花器マット粕白色花瓶茄子5

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