テキスト1988
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〈表紙の花〉水仙水仙の使い方の一例として直立させてみた。・その硬い線に対して下部に柔い房状の糸菊をそえたがパラでこの形にまとめてもよい。花材水仙松糸菊二色花器灰色柑横長深鉢日本画の樹木や岩の多くに苔が描きこまれているが、その自然環境や樹齢を感じきせる点景として効果の大きい表現方法・である。苔むした樹幹に私達の抱く感情は老木、深山幽谷、雲、静寂、清澄な大気という膜想をさそうような風趣であろ、っ。又実際に樹木につく苔は山聞の自然条件の良いところでしか育たず、花材として用いる苔付の枝物は菊や鉄砲百合のよ、つに栽培生産できるものではない。私達が郡山引を使うのはそのような自然の風趣の表現を意図する場合のことであり、とりあわせもそれに従ってきた。だが時々苔枝に全く趣の異なった熱帯性の派手な蘭やアンスリュlムをとりあわせて異質なもの同志の美しきをひき立たせるようにまとめることがある。その場合余分な花材はまじ、えず二種だけのとりあわせに緑をそえるだけで充分その意図を表現することができる。花材胡蝶蘭二色梅苔枝花器鱗文花瓶4

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