テキスト1988
65/144

型に伸びと動感をあたえている。花材ライラック紫グリーンカラー黄海芋の葉黒粕陶花瓶著義は初夏にかわいい花が咲き、胡蝶花ともよばれている。開花期は初夏だが葉だけは一空中使われている。郡和科の植物は一般に葉の美しいものが多いが、著義は葉の緑がとくに鮮かで、しなやかな反りが美しい。その上一年中多量に手に入る花材なので盛花や投入に自然感を著義によって表現することができる重宝な花材である。作例は庭に咲いた淡紫の著義の涼しそうな花色に惹かれて、その色を鮮明に表現するのに好適な姫百合をとりあわせ、白い斑紋の入った段九十九を加えて、むし暑くなってきた六月のいけ花の参考としてとりあげてみた。著義の葉はしなやかな曲線が生きるよう横姿を見せたい。その場合左右の一方を長くのびやかな形に挿してその形を充分にあらわし、片側は短かくおさえる。花の間隔を充分あけて涼感を求める。花材著義姫百合段九十九花器土色陶水盤器著十我しゃが花5

元のページ  ../index.html#65

このブックを見る