テキスト1988
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毎日花をいけ続けているが、私自身が心の中で、ひそかにω点ぐらいはつけていいのではないかと思えるいけ花はまだ二作しかできていない。勿論その二作にもいくつかの難点があり、そこをもっと厳格に採点し、もう三点か四点差し引き、前点ぐらいが公正な成績かもしれない。上の立花は毎年一月から二月にかけて京都駅新幹線コンコlスで行われているいけ花展の出品作だが、私の水準ではかなりよくできている方ではないかと思っている。私の立花ではとくに無理のないいけ方を心掛けている。立花は長い枝、短い枝、重い枝、軽い枝の微妙な重量のバランスをとりながら立てて行く。一瓶の立花を立てて行く上で、どこか一枝をとくに強調しようとするとき、表現意欲が強すぎると無理な大枝を何とかそこには立てようとしてバランスを失うことになる。物理的安定は美しさに直接つながる。正真松請副立花流枝控枝見越梅恕前置黒真雲胴白松龍梅水仙淡紅梅黒松雲龍梅骨一宮龍梅10

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