テキスト1988
34/144

薬や〈、専か〈紫め陽しさ花い。淡紫色の尊紫陽花、ここ何年かの聞にポスターやカタログのデザインに花を上手に使ったものが非常に多くなっている。今手もとにある浴室のモデルプランのカタログの表紙は藤色がかったグレイをバックに、白い浴槽の模型の中に白いライラック、アマゾンリクレマチスが一杯に盛られている。色彩構成としては申し分なく美しいし又上品でもある。だがどこか、私達のいけたいけ花とはちがっているような気がする。よく見た上で、まず気のついた点は、一輪一輪の花の存在感が稀薄なことである。いけ花においては一輪の花の茎から葉まで、そのままの姿をできるだけ生かして花にみなぎっている生命感を最大限に表現しょ、っとするが、グラフィックデザインとして扱われる花は、その色と形だけを利用しているように感じられる。そこには異種の花同志の出会いによっておこる季節感をともなった物語り性はなさそ、つである。作例は和則のいけた、やや自然調の感じられる投入である。花材辛煎猫柳グロリオーサ花器デザインに使われる花リl、アメリカンドッグウッド、有雲龍柳黒芽柳白地上部黒色粕花瓶〜‘、8

元のページ  ../index.html#34

このブックを見る