テキスト1988
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濃赤色の大輪アマリリスには、の花には求められない強さがある。ひかえ固な花では無視きれてしまいそうないけ花展の大作には効果的な役割りを果たすが、小品いけ花には使い方の難しい花材である。アマリリスの美しさは、花そのものだけにあるのではなく、みずみずしい茎が花の色をひき立てているのである。そこで小品花といっても茎を短く切って花の色だけを利用するのではなく、いけにくくはなるが高く使ってみたのがこの作例℃ある。アマリリスは花器の大ききにあわせて、いける本数と高きをきめる。次につぶれてきけやすい切口は細針金でしばり、挿す位置に割箸ぐらいの太さの支柱を立てておいてから、中空のアマリリスの茎を挿しこむ。スイートピーは、特殊な効果をねらって挿す場合は別として、一本一本の茎の線を見えるようにいけたい。づけて説明され興味深い。かためてマッス状にすると、薄紙をまるめたよ、つな感じをあたえる。シンビジュlムの葉は左に長く、右にやや短く流し、左右のひろがりと、深い型行をとっている。花材アマリリス(赤)花器アマリリススイートピー(白)シンビジュlムの葉三角形焼締コンポート岡山岩沢雅芳さんから一月三日から聞かれた、倉敷・三越での備前焼・加村雷童展の出品作に、同氏から挿花を依頼されたそうだが、岩沢さんが花をいけた作品には、見る見るうちに売約が成立したと愉快な報告があった。備前焼には岩沢さんの自然味豊かないけ花がよくあうので、当然のこととは云うものの、花の威力は大したものである。主婦の友いけばなビデオいけばなの歩みこのビデオは、いけ花という特異な文化の出来上がった歴史を、適切な資料を充分使って説明している。従来いけ花は、日本の豊かな自然が生んだものという程度の甚だ漠然とした成立の要因しか考えられていなかったが、稲作文化の伝播と関係又このテlプでは流組冨春軒について、その花材諭の卓抜さに言及され、現代のいけ花に関連して、先代桑原専渓の「新興いけばな宣言」とはどんなことであったのか解説されている。同氏の「いけばなの歩み」(主婦の友社刊ー一六OO円)という本と併読されることをおすすめしたい。『日本人は花に形を与えた』他8

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