テキスト1988
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第三種郵便物認可桑原寺疫流いけばなテキスト295号昭和63年1月1日発行(毎月1回1日発行)桑原専座流家元発行定価五00円立花は九枝で構成され、それぞれ役所か厳格に定められているが、自然の出生の姿に従うかぎり、とりあわせにおいては‘いけ手の自然観察の結果を尊重している。「平髯畠」では‘立花の表現するイメージを十種にわけ、髯告苔配厨(直琵噂)、畠監(鍔紐心)、野応広(豆琵)、雷位(鱈彗)、国鸞犀『釦因船尉としている。古めかしい言葉だか典味深い分類方法である。先代もそこに目をつけて、自然の写実的な盛花(景色花)にこの分類をあてはめて、昭和初年にその花型図集を刊行している。作例は最近立てた立花と同じ花材を集めていけた盛花なのだか、「山頭有草体」と云っていいだろう。いけ上げてから、この盛花を冷静にみつめると、立花の場合は、それぞれの花材が叩因と一体にとけあっていたが作例では緊密度が少しゆるやかである。その代り初冬の風物をのんびりと感じさせるようでもある。近頃、古風な景色花をあまりテキストに出していないか、日本の自然を見直すつもりで時々作例を掲載してみたい。花材寒菊白椿紅葉雪柳万年青(宋石)花器嘉靖年製水盤杜若立花十体と盛花叫ぶ桁困底磁加位やくと•jろ樅とおも松、

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