テキスト1988
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枯蓮立花晩秋の花鳥画には‘枯蓮に水鳥、そして折れた葦か描きそえられているのかよくある。寒々として寂しい風景だが心にしみ入るように四季の移を感じさせられる。いけ花でも枯連や枯華は文人花に好んで使われる。立花ではあまり例はないか、先代の遺著「桑原専淫の立花」に収められた「秋のかきつばた」には枯蓮かとりあわせられている。先代の五十作近い立花の中で私のとくに好きな一瓶である。枯草の中にも宿っているかすかな花の命を人々に感じさせるような立花を、という想いで立ててみたか、今後の私の課題としたい一作である。花材枯葦ー真・見越出親ー正枯蓮葉ー胴叫・副中輪濃赤色菊ー流枝寒菊ー前覆控ー杜若の実花器白斑花瓶近藤豊作芦ー請うっろい13 真

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