テキスト1988
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枝垂柳立花近江八景のうち、知犀の犀釦を背景に枝垂柳を立ててみた。今回の立花は、純日本的な建物の中で‘床の間、掛軸‘屏風、置物など、実生活と同じ設えの中に立てられた時、人々にどのような感じを与えるのか、単なる展示物ではないのを知って欲しかったのである。立花には覚えきれない程のきまりがあり、高度な技巧も必要である。だかそれらをつまく利用して、見る人に自然の美しさ、そして心のやすらぎを感じさせるような立花でありたい。整いすぎて親しみのわかない立花、荘厳なのもいいが威圧感があるのは敬遠される。私の立花は‘いける歓びが卒直に伝わるものでありたい。花材柳ー真・副・見越、杜若ー正真、跡躙ー請・控、栂ー前置・流枝、胴ー椿、他花器白金彩花瓶寺池静人作掛軸近江八景矢橋の蹄帆塩川文麟画8

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