テキスト1988
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杜はと鵠とぎ草すはい社uと鵠とぎ草すと狗え円子ころ草くさをとりあわせ、無雑十一月に入ると、野山の草花は殆ど姿を消し、紅葉が秋の終章を華やかに彩る。貴船菊は、京都市北部の貴船に沢山野生していたが、立ち上がりの姿のよい草花なので、出生のままに高くいける。花弁が糸のように細い嵯峨菊は開花しはじめる時には縮れ乱れているが、のびるにつれて垂れ下がり、そのあと上に向かって立ち上がり、茶鍛を立てたような形になる。そのような性質をもっているので、いけてからも水あげに注意し、最後まで見られるようにしたい。この二種の花を主材に季節の花、作な姿にいけ、よく拭きこんだ春慶塗の小判形の盆の片隅に置き、広く空けた面にペポカボチャをころがしてみた。鏡のよ、つな表面の春慶塗の盆に、いけた花が映ったところが美しい。花材勢総菊白(別名秋明菊|日本のいけ花には、古くから水墨画の山水を想いおこさせるような一草花の季節器表花紙の花針舵和科)ペポカボチャ春慶塗小判形盆睦ゆ菊出船酔hv。とりあわせは目立つ色は山査子だ面を持っている。水墨画の筆勢のような枝遣い、おさえた缶〕。そのような傾向は立花の時代にもすでに感じられるが、時代が下がって生花の時代に入ると、そのような感じがうすらいで、浮世細の酒脱きが求められるようになったと云えそうである。そして古くからの水墨画的な面は文人花という一つのスタイルに残きれ、現代までいけ続けられて来た。表紙の花で主材にしたのは、前面に配した花材に半ばかくれた這柏VAV〈槙LAの枯枝である。這柏槙は勝鵬ともよばれ、皮が潮風で剥離して白く晒され、苛酷な自然を生き抜く強さを感じきせけにして緑はおとなしく杜鵠草で各枝の出口を覆いキウイフルーツの実付の蔓をそえて変った感じを出した。花材思出様眠料キウイフルーツ山査子花器足付陶水盤(灰緑色紬)JR西日本京都駅チケットプラザいけばな常設展日月日日から弘日までの7日間、新しく開設された、いけばな常設コーナーに桑原専慶流として出品した。幹の樹ヲ3

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