テキスト1988
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フQ生花は余分と見られる枝を思いきって省略を重ねて行くので、いけ上がったとき相等多くの残り枝ができ小さな花器に挿しておくが、時には少し長い枝が残ることもある。何とかもっ一作小品生花でも作れないかなと思案する。何となく良い枝ぶりなのだが、別残り枝に無理して利用しなくてもいいし、小品生花にいけてみるとしても、どうせ格外れにしかならないと思いなしているのは大変楽しいものである。ならないと、一生懸命見つめていた花材の、気付かなかった一面を見つけ出すのも、そのような、気持に余裕のある時なのである。がら他の切り屑を拾い集める。一瓶いけ上げたあと、そんな気分で残り枝の中から使えそうな枝を探是が非でも一瓶いけ上げなければマ令。又残り枝をより分けていると、切りとらなくてもよい枝を切りとり、残きなくてもよい枝が不格好に残っているのに気付いたりする。昔から残り枝を大切にすることは、花をいける上での大切な心得ときれてきたが、それは単に勿体ないという消極的な姿勢からではなく、残り枝を見つめることによって、自分のいけ上げた眼前の花を、より一層深く反省する手がかりともなるのであ左の作例の生花は素子が表紙の投入に使った廿龍の残りである。少し余分に買った中の一枚なので、先程から述べている残り枝とは少し意味が違うかもしれないが、予定数の写真をとったあと、この枝もついでにいけておこうと、くつろいだ気分でとりかかった一瓶である。真、副、留は一枝そのままで、留の小枝の日でほど下で切りとったY字形の枝を真の幹の前にそえて胴に使っている。わずかに残っている葉は、早くも秋風に紅く染められているが、それだけではうるおいにとぼしいので小きな桔梗を一輪、控にそえてみた。花材七竃桔梗花器胡麻竹三つ窓花活け。おおかた短い細枝なので、集めて7

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