テキスト1987
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世界で最も多く栽培されている花の一つがグラジオラスである。バリやロ!?の花市場、ニューヨークの花屋でも季節を問わず大量に飾られている。グラジオラスは一属の中に二五O種も野生種があり、それをもとにして五千種にも及ぶ交配種が作り出されたので花色は実に多彩で、グラジオラスだけでも様々な配色を考えることができる。この作例のグラジオラスは、やわらかい黄色と、自に近いクリーム色との配色で、羊歯の若い緑をそえ、静かで上品な感触を、濃紺の水盤でひきしめている。品種の多いグラジオラスは春咲種と夏咲種にわけられていて夏咲種の方が多彩な上に花形も変化に富んでいるそうである。盛花には大輪で花つきの多いものが好んで使われているが、グラジオラスは下の方から咲きはじめ、序々に上の方が聞く。そしていけ上げた翌日から下部の花が咲き終るので摘みとり、水切りしていけなおす。花茎の先の固い奮は折りとり、開花を正面に向け、葉は面を見せ直立させる。立体花型に適し、初心者にもいけやすい花材である。花材グラジオラス圭即花器濃紺水盤グラジオラス9

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