テキスト1987
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おりんだあや的あや型的グラジオラス(ピンク・白)花器小判深鉢グラジオラスは江戸時代の末頃渡来し、和蘭菖蒲とよばれたが、一般に普及したのは明治時代の後半ということである。従っていけ花花材としての歴史は浅いが、日本でも改良が進み、最も多色な花材の一つとして大量に栽培され、一年中その美しい色が使われている。菖蒲科の植物なので、生花としては、花菖蒲や杜若に準じた花型にいけるが、葉組は三枚組と、用いる。作例では胴、留には三枚組を使い真には二枚の葉をつけた軸をそのまま使い、見越、副、留の沈み、控はそれぞれ二枚組を配している。グラジオラスの葉は厚みがあり固い感じの直線的な剣状葉なので、無理に携めまげたりせず、そのままの形で用い、各葉組の最長の葉をはっきりと目立たせて形をととのえる。多色な花材なので、夏には白と淡紫、白とピンク、白一角春には赤や黄を主にした華やかな配色で季節感を表現できる。二枚組を6

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