テキスト1987
90/147

真夏の生花一年中で暑さのいちばんきびしい真夏日、草花はしおれやすく、しっかりした枝物花材は涼しげな感じにいけるのが難しい。静叫献UA(帝京税艇)は名称通り涼しい山地に育ち、高きも2灯ほどにしかならない細くしなやかな木である。そして小さな葉が密生せず、ほどよい間隔についている。花材としての持味を生かすには、微風にもそよぎそつな細くしなやかな感じを大切にすることで、間延びしない程度の長きがほしい。作例では副を長くとり、真は真流しのように、枝先を中心線から大きく左にふり出している。そして留は小さくまとめ、控に鉄線をそえている。胴は、真、副のわかれ目から却でほど前につき出しているので、正面からとった写真では葉が密生しているように見えるが、実際には枝先から適当な間隔をおいてついている軽い枝なのである。盛夏、涼しげにいけられる一般的な枝物花材は案外少ない。先代の八月の生花花材表にも常とき磐h木g(常緑樹)以外では髭臨ぐらいしか記されていないが、追加するなら青葉の雪柳が株分け挿しに好適な花材である。花材深山南天(南京七竃)鉄線花器青磁花瓶2

元のページ  ../index.html#90

このブックを見る