テキスト1987
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やまあいこうはね色和作た花器白柑立花瓶山麓の禅寺の池に河骨が咲いてい山間を伝わる岩清水をひきいれた小川のような池なので、どこの河骨より清々した美しきだった。先代の「桑原専渓の立花」にも河骨一色の立花が一作おさめられており、前置に桔梗を使っている。和則は前置にも河骨を使って、純粋な河骨一色の立花を立てているが、前置以外は大体先代の花型を踏襲しているようである。水揚げの良くない河骨は手早くいけ上げないと、いけている聞にしおれてしまう。手数のかかる立花の場合、相当稽古を重ね、その構成がしっかりのみこめていなければ、到底いけ上がりの美しさを楽しむことのできない花である。和則も流枝会で立花に親しんだおかげで、この河骨一色も手早く正確に葉を傷めないでいけ上げていた。そしてこの写真を自分で撮ったあと、葉が萎れるまで何度も納得の行くまで見返していた。水際、出穀まで行きとどいた佳作である。河骨イじ11 jL

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