テキスト1987
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リアトリス擬宝珠葉花器濃紺粕好きな花、苦手な花は食べ物の好き嫌いに似て時と共に変って行く。以前この淡紫紅色のリアトリスはあまりいける気になれなくて稽古にも敬遠し、たまにリアトリスをいけるにしても白花だけしか使わなかっだが今月号では盛花と生花に二作いけてみたところ、充分とは云えないが、うまくいったようなので時々リアトリスも使ってみょうかな、という気になっている。勝手なものだが、考えてみれば他にリアトリスに似た花はなく特異な花材の一つなので何とか上手にいけられるようになりたいものである。直立するリアトリスは真を高くとり、副の枝先は真の高きの半分より少し上になるよ、つ枝どりする。真の前後には真園、見越をそえて厚みをとり、或は真の膏曲の浅い場合には見越を留側に振り出してその補足として加える。真より低く副、副の沈み、胴、胴の沈みの四枚を挿して、次に留を挿すことになるが、高く伸び上がるリアトリスは、胴より低く使う留側にも用いると、その出生感がそこなわれるので、他の花材をとりあわせた方がよい。そこで作例には除宝除の葉を留と控にとりあわせ、紫がかった紺色の花器にいけて、涼感のあるあっさりした一瓶とした。た7

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