テキスト1987
69/147

ど三つだんeょうか町ニわかあや内新緑と鉄線というとりあわせは、毎年その季節になると稽古場でも必ず一度はいけている。鉄線は近頃では一年中手に入るが、その自然開花期の五・六月が花も大きく、生きも良い。一度水が揚がれば十日以上美しく咲き続けてくれる。支柱をはずし、茎を満天星の枝にもたせかけて思う方向に花を配置すればまとめやすい。師範会上京支部4月四日、上京支部の皆きんの自主的な研修会が、同志社同窓会館で行われた。山桜一種の生花を、安部典子・稲葉淑子・奥村千鶴子・大西基子・高木敦美・野口和子・岡弘子・荒賀きく・水谷有里・竹端京子・古川雅美.山下享子・斎藤祐子・津田祐佳里・小菅敬三の十五瓶。藤と杜若の盛花の、小橋異奈・笹田由美子・村瀬明子・中島雅代の四瓶とあわせて十九作を見せていただいたが、久しぶりでしっかりした花をいけた、という人もあって有意義な催しであった。続いて出瓶はしなかった岩田慶寿.竹中慶敏・和田和子・吉田忠史・線章夫川本佳世子の皆きんも集まって、「花道の歴史と桑原専慶流」と題した家元の講義を聞いて散会した。鉄線第一回合同研修会初冬から咲き続けてきた、椿、茶花も散りつくし、わずかに赤味を残した枯花が崩え出てきた撒葉の下からのぞいている。もつ四・五日もすれば京鹿の子(説草の)や技協和が咲きそうである。広くもない庭でも、一年中何かと季節の花の彩りが絶えない。もっと花が植えられればと甲山つのだが、私達にはこれぐらいの広きが手の行き届く範囲だろ、っ。素子の稽古先の深本さんのお宅の庭は広い。干坪以上ある庭は北側の一部が花畑になっていて、今、海芋、菖蒲、白花の匂いイリス、紫蘭が咲いているそうである。六・七頁に使った生花の花材は、そのお庭の花である。庭は広いに越したことはない。まして好きな花が思う存分咲かせられればこんな幸せなことはない。だが私は広い庭を見ると何となく落ちつかないのである。というのは、私の育った家は落葉の大木の多い広い苔庭で、学生時代休みで家に帰ると毎日のように庭掃除をさせられた。苔の聞の落葉をかき集めるのは気の遠くなるような情けない作業である。おかげで少しは庭のこともわかるようにはなったが、庭掃除はせいぜい一時間が私の限度である。Tば庭掃除山5 白・紫満天星どうt! ん花器黄土色細口花瓶

元のページ  ../index.html#69

このブックを見る