テキスト1987
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包』〆、η’九saeすかすか大輪の真紅や、純白のアマリリスを見ると、ついいけたくなって買ってしまうのそのせいでこのテキストにも年に何度かアマリリスの作例が登場してしまう。ご存知のように、アマリリスの自アマリリス然の開花期は五月から七月で、その頃になると、花井園芸の好きな家の庭や、植物園で見事なアマリリスを見ることができる。私にとって印象的なアマリリスは、今から丁度却年前の五月、いけ花にかかわりをもち始めた当時、東京で開催された第一回日本いけばな芸術展の際、素子の出品作に使った時のものである。花径はお勺近くあったのではなかったかと回心う。そんな大きいアマリリスをそれまで見たこともなかったので、花道家とは大変な花を切って使うものだな、と妙な感心をしたものである。この作例には純白のアマリリスの引き立て役として、君子蘭の花を低く柏ゴムの聞にそえている。そして4枚使った下部の柏ゴムの重量感が強すぎるので、すっきりした縞蒲で軽やかさと高さを、白地に桜桃の柄のかわいい花器でその力をやわらかくしている。アマリリス君子蘭柏ゴム縞蒲花器白地桜桃文深鉢はつかくれん7頁にもチューリップととりあわせている八陵の鮮かな緑葉は、どういう科に属するのか、私には正体不明の植物である。蓮のよ、つに水生植物でもなさそつなのに何故か花屋から八角蓮という名で届けられた。名も知らない初対面の人と話しをしているようで、何となく落ちつかない。だが緑の色が良いのと、水揚げがよく、日持ちがよいので度々いけ花展でも使っている。色が良いとか、形が変っている広葉の観葉植物は、その美しきを生かすように、できるだけ葉面を大きく見せるようないけ方をしたい。場合によっては、そのよ、ヲな葉を主材として、他の形や色の異った葉ばかり二・三種とりあわせて、花を使わないいけ花も考えられる。作例は、白百合と八角蓮という白と緑だけの清々しいとりあわせでそろそろ暑さを感じる季節に向いたいけ花である。鹿の子百合の変種らしい白百合は、花の向きをよく考えなるべく後向きにしないように。花材八角蓮白鹿の子百合花器白色細口花瓶の作例八角蓮4 頁ィι材5

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