テキスト1987
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にお水仙留流し真・副・胴・留・控・内副・真囲・総囲、留沈み第三種郵便物認可桑原専慶流いけばなテキスト加号昭和臼年3月1日発行(毎月1回1日発行)桑原専慶流家元発行古典花のうち、水仙や杜若はいける時季によって花型が変化する。或は桜のように、寒桜、彼岸桜、そして四月の本期の桜と樹種による咲き方、枝振りの違いを季節ごとにいけ分けなければならないものもある。その微妙な季節の表現がとりあわせによって演じられることもある。杜若一色の立花では、春は杜若一種だけで前置まで作るが、初夏になると河骨を前置に用いて葉組も変えて行く。水仙も晩秋から冬を越して春まで咲き続けるので時季による変化をこまかくとらえ、生花の約束事としてその季節感を味わい続けてきた。初冬には三本のうち花茎二、五本では花茎二か三とし、花は葉より低く、ひっそりとした感じにいけ袴は水面から一Hンほど出る。日を追っごとに花茎も袴も高くなり、梅の旬、っ頃には本数もふえ九本、十一本、或は株分け挿で変化に富んだ花型となってくる。作例の留に使った雪折れの葉をまじえるのも早春の日差しの明るさを感じるような月を迎えてからのいけ方である。作例では、袴の高きを写真でわかりやすくするため、水の代りに砂利を使ったことを附記しておく。花材水仙九本花器方形陶水盤水仙春定価五OO円

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