テキスト1987
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併九賀町町花器白磁花瓶長CフQ。併動斑という植物名は、多分花屋の名称だと思うが、正しい名前がわからない。一一月の中旬から下旬にかけて、花屋で時々見かける花材である。灰色の細枝の先に、黒に近い暗紫色の葉芽がふくらむ。その姿は曇り空の英、々とした二月の山の淋しい風景を想像させるような花材である。留流しにいけた伊賀斑は、一種だけでは淋しすぎるので、葉の緑の深い薮椿を、総圏、控にそえてやわらかみと、うるおいが感じられるようにしてみた。花器は、股配り木のかからない壷形なので、写真でもわかるように、太い竹を叩でほどに切ったものに股配り木をかけ、下の方を砂利でおさえていけている。太きのちがう竹を何本か切っておけば、花材にあわせて大体どんな花瓶でもしっかり花をとめることがで又水盤の生花の花留めには古くから色々なものが使われている。そのうち本来花留めではないものが意匠的に利用された例として「齢、蟹、鯉、碇、五徳、小万、鉄L等他の用途をもったものを即興的に用いられている。中には秘伝として扱い方の定められたものもあるが、花留めとして、機能性の高い七宝、蛇の目、亀甲等は使いならしておきたい。8

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