テキスト1987
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T叶44レじb’q さ人しさすみれミモザアカシア空の色が日増しに明るく、暖かみが感じられるようになってくると、花の四月ももっ間近い。年によっては、月末に大雪の降ったりすることもあるが、一一一月には、色とりどりの洋花を華やかにいけ、厚い冬着の重みから解きはなされて浮き浮きした気分を求めたくなってくる。三色董、アネモネ、シクラメン、フリージア、チューリップ、スイートピー、アカシア::・::三月は花の豊かな季節である。だが明治以後に渡来した洋花の中には、原種とは著しく変形、変色し、開花期も本来の季節をはずれているものが多い。そのよ、つな花に正確な季節感を求めるのは無理な注文ではないかと思う。古くからいけ続けられ、出生に深い観察の行き届いた花材は別として、多彩な洋花は、とりあわせによる配色、そしてその配色を生かすことのできる花型によって、その季節に求める自分の気持を表現しなくてはならない。フリージアが国世紀に南アフリカからヨーロッパに渡った頃は貧弱な花だったらしいが、今では花径は4句、高さは印判ンもある立派な花である。作例ではアネモネを花瓶の口から低く長く前にのばしてまとめ、フリージアは葉をはずして花茎だけを〈表紙の花〉2

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